よこやま様、3/2にこども相談室へご質問をありがとうございました。サーバーが不調のためトピックス欄にご回答いたします。
イトウは可愛いです!もちろん生まれたばかりの稚魚のお話ではありますが。彼らはヤマベ(サクラマスの幼魚)などと違って、稚魚期にはほとんど「縄張り」を持ちません。水槽で飼育しても喧嘩もせずに仲良くエサを食べて育ちます。また川の中でもヤマベのように貪欲に流れてくるエサに我先に飛びつくような事はしません。ヤマベが見逃したくずのようなエサを川底をついばむようにして食べます。そんな姿はけなげで可愛らしいです。
よこやま様、イトウにご興味を持っていただきましてありがとうございました。なお上記のコメントを頂いたのは国立環境研究所の福島先生です。
王子製紙社有林内の作業道に設置されたイトウ産卵遡上を妨げるカルバート(土管)の撤去を実施しました。
2012年猿払イトウの会川原氏により土管の閉塞と上流のイトウ産卵床減少を確認、同氏により閉塞物を撤去し2015年までモニタリングを重ねた結果、閉塞は河川が増水するたびに起こり、上流部の泥の体積も著しくさらに礫環境も消失しイトウの産卵環境の縮小も確認された、協議の結果この作業道を使用しなくても森林施業に支障がないことが確認され、このたび撤去する事となりました
遡上障害の解消と泥の移動による礫環境の回復が期待され、今後もモニタリングを続けていきます
このたび土管撤去に際して北海道技術コンサルタント岩瀬様、徳島大学准教授 河口様にご指導ご助言をいただきました、
(調査・写真 猿払イトウの会 川原 満 )
先月2日に投稿した王子製紙社有林内のイトウ産卵河川に存在する作業道に設置されている土管が猿払イトウの会川原氏の調査によりイトウの遡上障害になっている事がわかり、現在その土管の撤去に向け調査を実施しています
9月19日に北海道技術コンサルタントの岩瀬氏、現在も魚類やイトウの調査を継続している徳島大学 准教授 河口氏の協力で猿払イトウの会川原氏同行により土管撤去の方法や撤去後の河川環境の変化の予測を兼ねて視察して頂きました
研究者や土木の専門家の協力をえて、河川環境改善に向け活動しています
(写真提供 徳島大学 准教授 河口洋一氏 調査投稿 猿払イトウの会川原 満)
2015年5月22日(金)に開催された総会の議事録を掲示いたします。20150908073255
9月24日(木)18時~猿払村役場交流センターにおいて、”さかなかみ”の上映が行われます。この映画は浜野安宏監督、2015年カンヌ映画祭出品作品です。皆様のご参加をお待ちしております。
猿払村内のイトウ産卵河川周辺には森林管理施業用の林道が多数存在します、林道と河川が交差する個所は100か所を超え、その中にはイトウを含む魚類の遡上・移動を妨げている個所もあり、生態系に影響を及ぼしています、イトウの場合産卵域でこの様な遡上障害があると産卵域の縮小が起こり生息数の減少に至ってしまいます、これらの工作物は通称カルバートと呼ばれ、鉄製の管(コルゲート管)コンクリート土管、コンクリートBOXカルバート、ゴム製の管などが敷設され、おもに設置位置が高く落差が生じている、管の口径が小さくすぐに閉塞してしまうなどで遡上の障害となっています、猿払イトウの会川原氏の調査の結果、王子製紙社有林内のイトウ産卵河川にも遡上の障害となっているカルバート(土管)が作業道に設置されていることが確認され改善に向けて動き出しています
土管周辺の環境計測、魚類相、イトウの産卵床数の推移をモニタリングしながら最終的には土管の撤去を目指しています
8月30日には土管の閉塞物を撤去し周辺の土砂の堆積状況等を調査しました
上写真は閉塞した状態の土管、流下物の倒木、朽木、枝葉等が土管を覆い尽くし閉塞しています、
閉塞物を取り除き、medical wellness 自然流下によって土管上流に堆積した土砂を流下させます、
この後モニタリング等を続け環境の急激な変化が起こらないような方法で土管の撤去を進め、土管閉塞による産卵区間の縮小を改善していきます
調査・写真 猿払イトウの会 川原 満)
11月19日 猿払イトウの会との共同で継続調査中のイトウの産卵遡上に影響のあるカルバート調査の結果により、判明した問題個所の管理の所在と視察を猿払村、副村長、建設課土木係、猿払イトウ保全協議会、会長小山内、事務局岡本と猿払イトウの会 川原氏により実施しました
猿払イトウの会川原氏が問題個所の説明と産卵床数の推移データを提供し、猿払村に管理所在の確認を依頼、後日管理所在が判明し管理者の許可と猿払村の許可により改善作業も実施した
今後も継続調査をして、管理者・土地所有者と情報を共有しこのような問題個所の改善を実施して行きます
2014年11月7日
猿払イトウ保全協議会
王子ホールディングス株式会社
絶滅危惧淡水魚イトウの保全活動について
当協議会は、王子ホールディングス(http://www.ojiholdings.co.jp/)のほか現地保護団体、行政、研究者らと共同で、北海道猿払村にある同社猿払社有林とその河川域に生息するイトウの保全を目的に、2009年に設立され、保護活動を続けています。
猿払川の水辺の森を豊かに保つことで、イトウのエサとなる昆虫や小魚を育み、イトウが隠れ家として利用する倒木を供給する活動を続けているほか、イトウの生態に関するシンポジウムの開催や大学生対象の環境教育などを通じた啓蒙活動にも取り組んでいます。
このほど国立環境研究所の生態調査によって、猿払川流域に生息するイトウは安定した個体数が維持されていることが分かりました。
(詳細は国立環境研究所のリリースをご参照下さい。
こちらから→http://www.nies.go.jp/whatsnew/2014/20141104/20141104-2.html)
当協議会はこれまでの地道な取組みが成果を結びつつあるものと考えており、引き続き安定的かつ継続的な保全活動に取り組んでまいります。
※イトウは国内最大の淡水魚で、絶滅危惧種ⅠB種に指定されており、猿払川など北海道のわずかな河川にしか生息していません。王子ホールディングスは、イトウと林業の共存のため、猿払社有林17,290haのうち2,660ha(東京ドームの約570倍)を環境保全区に指定し伐採活動を自粛、川の両岸から幅30mの河畔林を保全しています。
8月29日から9月1日までの4日間、猿払村におきまして環境教育研修プログラムを実施しました。
今回は北海道大学の協力をもとに同大学の学生3名での環境教育研修を猿払村で実施、初日29日には猿払村役場において、真野副村長から、猿払村の概要、歴史、産業の講義を受け、続いて猿払イトウ保全協議会会長、小山内より、協議会発足の意義等について、次に猿払イトウの会、事務局の岡本氏より猿払イトウの会の活動等についての講義で当日の日程を終了
日程2日目午前は王子製紙社有林の王子の森を視察、王子木材緑化の田中氏から村内の王子社有林の概要、森林施行について説明を受け実際に伐採の現場を視察しました
日程2日目午後~3日目は協議会小山内、猿払イトウの会の川原氏が猿払川の上流部の王子製紙社有林内のイトウ保全区を視察、原始の姿が残る河川環境や、河川改修後の河畔林等、人の手が加えられた部分の違いや湿地、山地の植生の違い、林道と河川の交差部に存在するカルバートなどを問題点なども交えながら説明を受け、イトウの産卵河川を歩きカラフトマスの産卵、イトウの稚魚等の魚類を捕獲、観察、実際にフィールドを巡りました。
最終日は同村役場において、役場職員の方々に今回の研修をまとめたプレゼンテーションを発表して環境教育研修プログラムを終了しました。