2009年12月8日「猿払イトウ保全協議会」設立についての記者発表が、王子製紙本社にて行なわれた。
王子製紙株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:篠田 和久、以下:王子製紙)、猿払イトウの会(北海道宗谷郡猿払村)、猿払村、および研究に携わる学識経験者によって、北海道宗谷郡猿払村の河川に棲む稀少巨大魚“イトウ”を保全するため、「猿払イトウ保全協議会(任意団体)」を12月7日に設立いたしました。
イトウは、最長寿命は20年以上、体長は1m以上に達する日本最大の淡水魚です。かつては本州北部にも分布していましたが、河川環境の悪化により激減し、現在では北海道の一部の河川に生息するのみで、国際自然保護連合(IUCN)と環境省のレッドリストで絶滅危惧種に指定されています。
猿払村には王子製紙の猿払社有林(約17,290ha)があり、そこに流れる猿払川とその流域は、日本でも稀に見る自然豊かな生態系で、猿払川のイトウは少なくとも過去20年近く個体数がほとんど減少していません。王子製紙は、ワイルド・サーモン・センター(米国、オレゴン州)の提案を受けて、本年10月、イトウ保全のための環境保全区(約2,660 ha)を猿払社有林内に設定しました。
猿払のイトウ保全には、行政・森林所有者・地元企業・住民との協力、イトウの生態や生息環境の調査・研究およびシンポジウムや自然学校開催によって広く世間の人々にも保全に関心を持っていただくことが大切です。このような活動を通じて猿払のイトウ保全を推進するため、「猿払イトウ保全協議会」を設立することと致しました。