王子製紙の猿払社有林は約17,290haで猿払村の面積の約3割を占め、猿払川流域の大部分はその社有林の中にあります。王子製紙では猿払イトウ保全協議会の一員として猿払川の豊かな生態系を守るために、猿払村や猿払イトウの会、学識経験者と協力。環境NPOワイルド・サーモン・センター(アメリカ・オレゴン州)の助言や提案を受け、2009年10月、環境保全林を設定しました。環境保全林の面積は約2,260haで、上流域から下流域まで、河畔林がすっぽりと入る広大な大きさとなっています。
王子製紙は猿払社有林の一部を自然を保護するエリア「王子の森」とし、一般に開放しています。王子の森はオホーツク海沿岸部にあり、狭い範囲に海岸、湿地、沼、人工林、天然林が存在。本州では高山でしか見ることのできないガンコウラン、イワフジ、ウスノキなどの植物を、海岸線の海浜植物といっしょに見られる変化に富んだ地域となっています。
王子の森には宿泊(自炊)ができるビジターセンターがあり、学術的な調査・研究・観察の場として利用されています。またビジターセンターからアカエゾマツ-ヨシ群落を観察できる展望台までは、約1kmの遊歩道が一般開放されており、貴重な自然を間近に見ることができます。