イトウは大きくなると、魚を食べます。
ネズミなどを食べることもあるので、アゴの力は強いし、するどく、とてもじょうぶな歯があります。
うっかり指をかまれたら、血が出ちゃうよ。
舌(した)にまで歯がはえてるから、びっくりだね。
日本では北海道だけに住んでいます。
前は青森県や岩手県にもいたけど、いなくなってしまったし、
北海道の中でも少なくなっているから、
大切にしなくっちゃいけないね。
そして、川の上流で生まれ、おとなになるほど、
下流の方に移り住むんだって。
イトウの体はふだん、
背中はちょっと緑っぽい茶色で、お腹は白。
体の横は銀色をしています。
おとなになって、春、こどもを生むころになると、メスはわずかに赤みを帯びる程度ですが、オスはあざやかな赤(紅色)になります。
どちらも川を上流へのぼります。
ヤマメの赤ちゃんが水生昆虫をすばやく
とって食べるのに対し、
イトウの赤ちゃんは、動きがにぶく、
ゆっくりしていて、
自分から餌をとるというより、底に沈んだ生物や、流れてくる水生昆虫などを食べるおっとりタイプです。
こうして草や木で水面がおおわれた、ほとんど流れのない場所で、2年ほど過ごすそうです。
イトウはサケ科の魚の中で、
唯一春に卵を産みます。
卵を生むころ、イトウのおかあさんは尾びれで川底をほって、砂利の中に卵のベッドをつくります。そのベッドにおかあさんは2000個(こ)から1万個もの卵を生みます。
2週間くらいかけて、何ヵ所かに卵を産むそうです。そのベッドでイトウの卵はすくすく育ち、やがて赤ちゃんになって生まれてきます。